2013年7月22日月曜日

怖い話「アンティークの鏡」

怖い話「アンティークの鏡」

これは本当にあった怖い話だ。

A子さんは、知り合いからアンティークの鏡をもらった。

おとぎ話の中に出てきそうな鏡で、A子さんもそれを一目見て気に入ってしまった。


毎日、化粧をするとき、メイクを落とすとき、お風呂上りのスキンケア、その鏡の前で行ったという。


その鏡を使い出してからというもの、A子さんは日に日に元気がなくなっていった。


友達からも、


「A子、顔色悪いよ?大丈夫?」


などと、心配される日も多くなった。

でも、最近少し疲れているのかな、とそれほど気にも留めず。

だってまさか、頂き物のアンティークの鏡が、自分の不調と関係しているだなんて、このときは夢にも思わなかったから。

あるとき、A子さんは夜寝ているときに夢を見た。


自分が、例のアンティークの鏡の前でお化粧している夢だ。

でも、鏡に映る自分の姿が、だんだんと知らない女性の姿に変わっていった。


まったく見たこともない、外国の女性の姿に。


その女性は、化粧をしているのだが、突然苦しみだす。


見ると、後ろから、これまた知らない男から首を絞められているのだ。


苦しい・・・・


女が首を絞められていると、なぜだかA子さんも同じように苦しくなった。

過去味わったことがないくらいの苦しみ。

オェッ

と吐きそうになるくらいの苦しみの後、フワッと意識が遠くなり気持ち良さすら覚え、そこで記憶がなくなったという。


気がつくと、朝だった。


夢から覚めたのだ。


なんかいやな夢だったな、と思いながらも寝起きでトイレに行くA子さん。

トイレの鏡に映る自分の姿を見て愕然とした。


最悪の顔色、目の下は酷いクマ、なによりもびっくりしたのは、首筋に絞められたようなアザがくっきりと残っていたのだ。

なにこれ・・・・?


首を何度もこすってみても、消えないそのアザ。


さっきのは夢ではなかったのか?


その日から、A子さんは、毎晩のように同じ夢を見た。


アンティークの鏡の前で自分が化粧をしていると、いつの間にか知らない女の人の姿に変わっていて、最後は知らない男に首を絞められて苦しくなり起きるのだ。


それ以降、益々衰弱していくA子さん。


・・・・・・・あるとき、A子さんは霊感の強い女性と偶然にも知り合った。


その霊感の強い女性に真っ先に言われた言葉が、


「あなた、なにを連れてるのっ?!今すぐ、何とかしないと、身体を乗っ取られるよっ!」


というものだった。


言っている意味がよく分からないが、本当は思い当たるところがあるA子さん。



その霊感の強い女性に、アンティークの鏡のことを詳しく話した。


すると、その女性は「悪いことは言わないから、すぐにでもその鏡を手放しなさい。そうしないと大変なことになる。」と、真剣な顔で言っていた。



A子さんは、次の日、アンティークの鏡をリサイクルショップに持ち込み、売却した。



すると、あれだけ悪かった体調がみるみる良くなり、例の怖い夢、首を絞められる夢も見なくなった。



物には、人の念がこもると言う。


古い物なら、それだけ念がつきやすくて当然かもしれない。


あの、アンティークの鏡は今もどこかで、誰かが使っているのだろうか・・・・?



<怖い話「アンティークの鏡」>終わり

引っ越しました:アンティークの鏡