2013年7月15日月曜日

怖い話「タクシーの幽霊」

怖い話「タクシーの幽霊」

これは、あるタクシーの運転手さんから聞いた怖い話。

そのタクシーの運転手さんを、仮に田中さんとしておきましょう。

田中さんは、深夜、乗客を探して都内を車で走っていました。

すると、一人の乗客が見つかり、その客は西東京へ行って欲しいとのこと。

現在地からは、それなりに距離があるため、おいしい客です。

田中さんは、そのお客を乗せて車を走らせながら、ざっと計算してみました。

「ここから、西東京まで行って帰ってくると、往復で約2時間か・・・じゃあ、この客で今日は最後かな。」

と。

順調に車は進み、そのお客さんを無事に目的地まで送り届け、さて東京(23区)に帰ろうと、車を走らせていると・・・

前方に、こちらに手を上げている女の人が居ます。

一応、会社に戻ろうとしていたところだったので「回送中」にはしていたのですが、そのお客のそばに停車し、どこまで行くのか尋ねた田中さん。


なんと、偶然。

そのお客の行きたい場所は、これから田中さんが向かう場所(会社)のすぐ近くでした。

それなら、乗せない手はありません。

女の人を車に乗せると、アクセルを踏み込む田中さん。


でも、そのお客が、なんだかおかしいのです。

まったく口を開かず、世間話を振ってみても返事はない。

「ああ、気味が悪いなー。」

と思いつつも、車を走らせます。



しばらく行くと、薄暗い街頭の少ない1本道に差し掛かったそうなのですが、そこで急に客の女の人が叫びだしたのです。


「ギュワアアアアーーーーー!!!」



そのあまりに異様な叫び声に、思わず失禁しそうになったという田中さん。

「お客さん、どうしました?」


尋ねても、その女の人は一向に叫ぶのをやめない。


仕舞いには、運転席の後ろをガンガンを蹴り出したそうなのです。

怖くなり、急ブレーキを踏み停車する田中さん。


「お客さん、いったいどうしたって言うんですか?!」


田中さんが後ろを振り向くと、その女の人の姿はなかったそうです。

もちろん、車のドアは開けていませんし、窓も開いていなかったのに。


あわてて、後ろの座席を調べる田中さん。


でも、そこには誰も居ない・・・



ただ、運転席の裏側には、靴で何度も蹴ったような跡が無数に残っていたそうです。



田中さんは、恐怖のあまり、その日はずっと震えていたといいます。



タクシーに乗り込んできた、この女の人は幽霊だったのでしょうか・・・・?


この世に未練を残し、今でもどこかを彷徨っているかもしれません・・・・・・・


<怖い話「タクシーの幽霊」>終わり。

引っ越しました:タクシーの幽霊