2013年8月23日金曜日

放課後の教室に忘れ物を取りに行った

怖い話・放課後の教室に忘れ物を取りに行った

これは、俺が実際に体験した怖い話なんだけど、誰にも信じてもらえない。

中学校のころ、どうしても必要な大事なプリントを学校に忘れてきてしまった。

もう時間は、7時。

放課後というよりも、夜という言い方のほうが的確かもしれない。

どうしよう。

一人で暗い学校の教室に取りに行くのも怖いけど、プリントが今手元にないのもマズイ・・・・

恐怖心と戦いながらも、俺は教室に戻ることにした。

学校に着くと、なんとも不気味な雰囲気だ。

一応、警備さんに一声かけてから教室に向かう。

廊下も真っ暗で、照明は「非常口」の明かりのみ。

こんなこともあろうかと、懐中電灯を持ってきていたが、まさかこんなに暗いとは思わずに、豆電球でオモチャような懐中電灯を持ってきてしまった。

くそ、これじゃよけいに雰囲気が増幅して怖い気がする。

まあ、ないよりはましか・・・・

やっと、教室にたどり着く。

俺は、手に持ったオモチャみたいな懐中電灯を頼りに、自分の机の中からプリントを取り出した。

あったあった。

すぐにカバンにしまった。

と、そのとき・・・・

教室の窓側から人の気配を感じた。

懐中電灯で照らして見ると、誰かが窓際の1つの席に座っているようだった。

「誰?」

思わず、大きな声で尋ねた。

クラスメイトだと思ったのだ。

でも、よくよく考えるとクラスメイトなわけがない。

こんなくらい教室に一人で座っている奴なんて、どう考えても普通じゃない気がする。

「誰?」という問いかけに、返事もない。

俺は、怖さのあまりその人影に近づいてしまった。

自分でもなぜ近づいたのか、分からない。

近づいてみると、窓際の席に座っていたのは、小学生くらいの男の子だった。

なんで、小学生?

ここは中学校だぞ・・・・

俺は、話しかけていいのかどうか迷いながら、

「君、ここで何してるの?」

と声をかけた。

すると、その男の子は俺の声に反応してこちらを向こうとした。

だが、その子が首を動かしたとたん、その子の首が

ゴロン

と取れて、教室の床を転がった・・・・・


俺は、


「うわぁああぁぁああぁあっぁーーーー!!」



と大声を出して、その場から逃げ出した。


とにかく走った。


暗闇の廊下で何度も転んだが、今は痛くもなんともない。


とにかく、逃げないとやばい気がした。


とんでもないものを見てしまった。


気がつくと、俺は校舎の外まで逃げ出していた。


そして、震えながら家に帰った。


もう、最悪の日となってしまった。


あんな怖い思いをしたことは生まれて初めてだった・・・・・


怖い話系にありがちな、後日談はこの話にない。


俺が忘れ物を取りに行った放課後の教室で見た、あの少年は幽霊だったのだろうか?


今でも、あのゴロンっと転がった首が脳裏に焼きついてしまっている。


本当に怖い経験だった。


「怖い話・放課後の教室に忘れ物を取りに行った」終わり

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