2013年8月31日土曜日

奇妙な電話番号 あの世との交信

怖い話の実話・奇妙な電話番号 あの世との交信

これは、佐藤さんが十数年前に体験した実話の怖い話である。

佐藤さんは、ある日の夜中に、ベッドの上に寝転がり自分の携帯を何の気なしにいじっていた。

自分の送受信したメールを見たり、電話帳を見たり・・・・

と、電話帳を見ていたそのとき、まったく登録した覚えのない番号が入っていた。

登録した覚えのない番号が電話帳に入っているということは、もしかするとそう珍しいことではないかもしれない。

でも、佐藤さんの場合、もしも自分で登録したのであれば、絶対に記憶に残るようなものなのだ。

というのも、その電話帳登録の名前が、「あの世へとの交信」だったのだ。。。。

あの世との交信だ?

そんな番号登録した覚えはないぞ。

いかにも、友達とふざけて登録しそうなネーミングだが、そんな記憶はまったくない。

普通なら、こんな奇妙な電話番号「あの世との交信」なんて、無視するか、気味悪がって削除してしまうことだろう。

でも、佐藤さんはそのとき、興味が湧いてしまった。

「なんか、面白そうだぞ。」

と独り言をつぶやくと、その登録された電話番号へ発信してしまったのだ。

当時はまだ、ワン切り業者や架空請求業者という事件などはあまり起きていなかった時代。

知らない番号へ電話をかけることが、それほど危険だと思われていなかった時代なのだ。


電話をかけてみると、


プルルルルルーーーー


と呼び出し音が鳴る。


カチャ


誰かが電話に出たようだ。


佐藤さんは、声をかける。


「もしもし?」


「もーし・・・」


「もしもし?」


「もーし・・・・」


「あのそちらはどなたですか?」


佐藤さんは、尋ねた。



「もーし・・・・」


相手は、「もーし・・・・」とばかり言っている。


ただ、少しだけ奇妙なのだ。


相手の声が、一度途切れるたびに、まったくの別人になってしまうのだ。


最初は、若い女の人、次が老人、次が幼い子供、次が中年くらいの男、と次から次へと、「もーし・・・」の声が変わる。


かなり不気味だ。


「あのー、そちらはどなたですか?」


佐藤さんがもう一度聞くと、相手に質問を質問で返された。


「もーし・・・・・佐藤さん・・・・・あなたも・・・・・こちらに来ますか?」


ちょっと待て。

もしも、相手が本当にあの世の住人で、「こちらに来ますか?」ということは、俺をあの世に引きずり込むってことか?!

それに、なんで俺の名前知ってんだよっ?!


急激に怖くなってしまった佐藤さんは、


「俺は、そっちに行きません!」


というと、その電話を切ったのだと言う。


電話帳は、その直後に消去した。


・・・・それから、5年経ったある日のこと。


佐藤さんは、知り合いの紹介で霊能者という方にお会いした。


その方に、この奇妙な電話番号とあの世との交信の話をすると、霊能者の方もびっくりしていたという。

そして、こう言われたそうだ。

「佐藤さん、良かったですねー。」

「え?なんでですか?」

「その電話、おそらくあの世との交信でしたよ。」

「ええ?やっぱり?」

「はい。あの世の人はね。昔から、{もしもし}と言えないとされているんですよ。だからどうしても{もーし}と言ってしまうんです。」

「・・・・・・・・(恐怖で絶句)」

「相手側が{こちらに来ますか?}と聞いてきたんですよね?」

「・・・・・・・(黙ってうなずく)」

「もしそれに{うん}」と返事したり、無視したりすれば、あなたは今頃生きていないでしょうね。{そっちに行きません}と言って通話を切ったからこそ、今も生きていられるのだと思いますよ。」


佐藤さんは、この話を聞いておしっこをちびってしまうくらい、怖くて怖くて仕方なかったという。


これが、佐藤さんが体験した怖い話の実話だと言うから、世の中には恐怖体験というのが実在するのだな、と思ってしまう・・・・



「怖い話の実話・奇妙な電話番号 あの世との交信」終わり

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