2013年12月25日水曜日

怖い話の実話 追いかけてくる黒い人影

怖い話の実話 追いかけてくる黒い人影

8年前。

私が小学6年生だったときの話です。

私は、仲の良かったクミちゃんと二人で、近所の駄菓子屋さんにお菓子を買いに行きました。

その帰り道、私たちが歩いていると、通りかかった古びたアパートから全身真っ黒な人がヌっと現れたのです。

なんと表現すればいいのか・・・

人影と言えばよいのでしょうか。

全身が真っ黒で、顔には目だけがありました。

私たちはそれを見たときに、小さく悲鳴をあげてしまい、その悲鳴が聞こえたのでしょう。

その人影が、ギロっとこちらを睨みつけました。

もう、怖くて怖くて、私とクミちゃんは全速力で逃げ出します。

ふと後ろを振り向くと、その人影が走って追いかけてきているでありませんか。

もう、パニック状態で、とにかく無我夢中で逃げました。

「捕まってしまったら殺される。」

そんな根拠のない強迫観念に襲われながら、走り続けました。

どれくらい逃げ続けたでしょうか。

クミちゃんは自分の家に真っ直ぐ逃げ込もうとしていましたが、

「ダメだよ。あいつに、家知られたら、終わりだよっ!」

と、私が走りながら伝え、ずいぶん遠回りして逃げたのです。(私の家は方角的に正反対だったのです)

クミちゃん家にたどり着いたときは、もうあの影は追ってきていませんでした。

二人は汗だく(恐怖による汗もかいていました)になりながらも、なんとか助かったようです。

やっとの安堵感。

「さっきのあれ、なんだったの?お化け?」

とか

「名探偵コナンの犯人じゃない?」

などと、軽口も言えるくらいにまで安心できていたのですが・・・・

クミちゃんの家は、母子家庭で母一人子一人で団地の4階に住んでいます。

お母さんは働いていて、昼間は家にいません。

家の中は整理整頓されていて、とても綺麗です。

でも、ふとクミちゃんの部屋の窓に手形がたくさんついているのを発見しました。

「ねえ、クミちゃん?なんであの手形みたいな跡拭かないの?」

私がそう聞くと、クミちゃんも窓を見ました。

そして、絶句・・・

「・・・・なにこれ?」

大人の男の人の手形でしょうか。

かなり大きい手の跡が、窓にはくっきりを無数についていました。

クミちゃんはこんな跡を知らないそうなのです。

しかめっ面で、窓を拭くクミちゃん。

でも、跡は一向に消えません。

どうやら、その手形は外側からつけられたもののようです。

重ねて言いますが、クミちゃんの家は4階です。

窓の外に足場はありません。

そして、この家庭に男の人は住んでいないのです。

先ほどの、黒い人影のこともあり、私たちはその日、恐怖に震え続けてしまいました。

私はその家の住人じゃないのにすっごく恐かったですから、住んでいるクミちゃんの恐怖は計り知れないものがあったと思います・・・・

今でもあれが何だったのか、よく分からないのですが、とても怖い体験でした。

「怖い話の実話 追いかけてくる黒い人影」終わり 引っ越しました:謎の黒い人影